藍染との戦いから17ヶ月後。
死神の力を失った一護は、高校3年生になっていた。霊圧を失い、普通に高校生活を送っていた。しかし、平穏に見えたその学園生活に、ひたひたと異変が襲い始める。一護の前に突如現れた男・銀城空吾。その男は一護に死神の力を取り戻させるという。
一方、一護の周辺の異変をいち早く感じ取っていた石田が何者かに斬られる。その事実を知った一護は、銀城に接近することを試みる…。
銀城は“XCUTION”という集団を率いていた。その集団は、“特殊な能力を持った人間”達の集まりだと銀城は言う。その能力は“完現術”(フルブリング)―――物質に宿る魂を引き出して使役することが出来る力。その力は、XCUTIONのメンバー全員の親が虚に襲われたことによって宿ったものであり、銀城達はその力を捨て去りたいと主張する。そのためには、一護に死神の力を取り戻させ、銀城達の能力を譲渡することが必要だと言う。
その最中、XCUTIONのアジトに茶渡泰虎が姿を見せた…。茶渡は力を失ってからの一護は見ていることが辛かったと言い、一護に死神の力を取り戻して欲しいと願った。こうして、一護は死神の力を取り戻すための修行を開始することとなった。
銀城達との修行が始まった。リルカとの戦いで、一護にも完現術が宿った。死神として戦った力、そして誇り。それらは全て死神代行証の魂に刻みつけられていた。少しの光が見えた。…そう思った矢先、井上織姫が月島と名乗る男に斬りつけられた。井上の霊圧の異変を察知した茶渡と一護が現場へ向かう。そこには、あくまで「何もなかった」と主張する井上が一人。もちろん、井上自身は異変を感じていた。言いようのない異変が故に、一護達に何も伝えることが出来なかったのだ。
またしても仲間が斬られたことを銀城に伝える一護に、銀城から衝撃の事実を伝えられる。「月島はかつて俺たちのリーダーだった。」と。そのことを知った一護は、修行のスピードを早めていく。そこへ、月島達が急襲する。
月島はリルカや雪緖の機転によって退却した。そして、一護を待っていたのはさらなる修行だった。ジャッキーとの修行で、装位型(クラッドタイプ)の完現術を身につけた一護の次なる相手は銀城。それまでの温厚さは微塵もなく、その眼はまさに一護を殺さんとする殺気を帯びていた。だが、それは全て銀城の狙い通り。戦場というフィールドに連れ戻すことによって、一護の奥にある完現術を呼び覚ましたのだった。
しかし、修行を終えた一護を待っていたのは、質の悪い冗談のような事態であった。遊子が、夏梨が、水色が、啓吾が…一護を取り巻く家族、仲間が月島の手にかけられていた。一護は人並みならぬ覚悟を持って、月島との戦いに挑む事となった…。
月島のアジトに乗り込み、拳を握る一護。そこへ現れたのは茶渡と織姫。しかし彼らもまた、月島に斬られた後だった。混乱と絶望に塗れた一護はひたすらに攻撃をしかける。だが、そこで“唯一の味方”だった銀城が月島の刃の犠牲になる。そして眼前に現れた石田。沢山の仲間が月島の手に落ちたことが脳裏をよぎり、疑心暗鬼になる一護。石田の告げた言葉を遮るかのように、一筋の刃が一護の体を貫いた。それは銀城の刀であった。全ては銀城と月島の策略であり、銀城の本当の目的とは、一護の完現術を奪うことであった…。そして、追い討ちをかけるように、もう一振りの刃が一護に突き刺さった。
万策尽きたはず一護の前に姿を見せたのは、ルキアだった。一護に突き刺さったはずの刃は、ルキア達死神の力が込められ、一護に死神の力を再び与える物だったのだ。尸魂界の危機を救った一護を救うために、護廷十三隊の死神達の力を少しずつこの刀に込めた。そして、一護に死神の力を与えた理由はもう一つ。一護よりも前に死神代行証を与えられ姿を消した男、初代死神代行・銀城空吾と対峙するためだった。やがて戦いは、死神対完現術者の全面闘争へ…!!